民間資格ってどんな資格? 国家資格・公的資格との違いも分かりやすく解説!

民間資格・国家資格・公的資格。それぞれの特徴とおすすめの資格を解説

コロナ禍によるおうち時間の増加で、資格取得を目指して勉強を始める人が増えています。
「国家資格は無理でも、何か役に立つ民間資格がほしい」
そうお考えの方に、民間資格の解説とおすすめの民間資格をご紹介していきたいと思います。

民間資格とは何か?

民間資格とは、民間団体などが自由に設定できる資格のことをいいます。
ある分野において一定の水準に達していることを証明するものとして有効な場合もありますが、就業のために絶対に必要というものではありません。

法令で定められてはいないので、一定の能力保証があると認められる資格から、資格商法によって与えられるような社会的評価の低いもの、企業が従業員に対して付与し、社外には通用しない社内資格(内部資格)まで幅広く存在します。

国家資格とは何か?民間資格と国家資格の違いは?

日本国内における国家資格とは、国の制度に基づいて各分野での個人の能力や知識が判断され、特定の職業に従事できることを証明するものです。

国家資格は通常、業務独占資格・名称独占資格・設置義務資格(必置資格)の3つに分類され、資格によっては年齢や学歴、実務経験などにより制限が課せられる場合があります。

試験の実施や免許・資格証の発行などの事務的事項は、法に基づいてその実施を義務付けられた(あるいは権限を委ねられた)地方公共団体や民間団体などが所轄するケースもありますが、それによって国家資格でなくなるということはありません。

国家資格には、機械装置などの操作や特定の作業に関するものが多く、特別講習や技能講習を受けることで取得できるものもあります。

資格付与における法律上の用語は定められておらず、「免許」または「許可」などの用語が使用されますが、行政法学上は「許可」や「公証」などに相当します。

国家資格にはどんな種類があるの?

さきほどもご紹介した通り、国家資格には、業務独占資格・名称独占資格・設置義務資格(必置資格)の3種類があります。
この3つの資格には、それぞれどのような特徴があり、どんな違いがあるのでしょうか?

業務独占資格とは?
業務独占資格とは、その資格を持っている人でなければ携わることを禁じられている業務を、独占的に行うことが可能になる資格のことをいいます。
業務独占資格のなかには、名称独占資格や設置義務資格(必置資格)の特性を併せ持つものもあります。

名称独占資格とは?
名称独占資格とは、資格を取得していない人にその資格名の利用を禁止している資格のことをいいます。
業務独占資格は名称独占資格でもある場合が多くありますが、単に名称独占資格と言う場合は、業務独占性のないものを意味します。

設置義務資格(必置資格)とは?
設置義務資格(必置資格)とは、企業や事業所に特定の資格保有者を必ず置かなければならないと日本の法律で定められている資格のことで、業務独占資格が設置義務資格(必置資格)の性質を併せ持っている場合もあります。

公的資格と民間資格の違い

公的資格についての明確な定義はありませんが、「国家資格と民間資格の中間的な資格」「試験は民間団体や公益法人が行うが、資格は官公庁から発行される資格」などのように定義されることがあります。

主な公的資格
食品衛生責任者、カラーコーディネーター検定試験、ふぐ調理師、ツアーコンダクター(旅程管理主任者)、自営消防技術試験、日商簿記検定試験、防災センター要員、オートレース審判員、農薬管理指導士、eco検定(環境社会検定試験)、防火管理技能者、ケアマネジャー(介護支援専門員)、被災建築物応急危険度判定士、教員免許状、除外施設等管理責任者、手話通訳士、東京都公害防止管理者、メンタルヘルス・マネジメント検定試験、被災宅地危険度判定士、レタリング技能検定、防災リーダー、和裁検定試験、子育て支援コーディネーターなど

国家資格ではありませんが、認定しているのは国なので、社会的な信用度は高い資格といえます。

主な国家資格

司法試験
司法試験は、裁判官や検察官、弁護士になるために必要な資格、つまり法曹資格を付与するための国家試験です。

公認会計士
公認会計士は、内閣総理大臣から資格を認められ、公認会計士名簿に登録されており、他人の要請によって財務書類を監査または証明する人のことをいいます。

医師
医師とは、医療や保健指導を司る医療従事者を指します。日本では、「医師国家試験」に合格し、医籍登録を完了した人に厚生労働大臣から免許が与えられます。

一級建築士
一級建築士とは、国土交通大臣の免許を受け、一級建築士という名称を使用して、設計や工事監理などの業務を行う人のことをいいます。

気象予報士
気象予報士とは、気象業務法第3章の2に基づき、一般財団法人気象業務支援センターが実施する気象予報士試験に合格し、気象庁長官による登録を受けた人のことをいいます。

主な公的資格

色彩検定
色彩検定は、公益社団法人色彩検定協会が実施する、色に関する知識や技能を問う試験です。合格すると、色彩コーディネーターという称号が与えられます。

ツアーコンダクター(旅程管理主任者)
ツアーコンダクター(旅程管理主任者)になるには、18歳以上であること、旅程管理研修を修了しており、なおかつ所定の添乗実務経験があることが必須条件となります。これを、旅程管理主任者資格といいます。

秘書検定(秘書技能検定試験)
秘書検定(秘書技能検定試験)は、公益社団法人実務技能検定協会が実施する試験です。内容は理論領域と実務領域に分けられており、それぞれが60%以上を正解すれば合格となります。

POP広告クリエイター技能審査試験
POP広告クリエイター技能審査試験は、小売業または幅広いサービス業界で販売や販売促進業務に従事する職員のPOP作成能力を審査することで、これらの職務に携わる人の技能や社会的・経済的な地位を向上させ、ひいては小売業およびサービス業の発展に貢献することを目的とするものです。

ビジネス能力検定(ビジネス能力検定ジョブパス)
ビジネス能力検定は、社会人に必要な仕事のスキルを評価する検定試験で、B検とも呼ばれます。2013年に新基準による改定がなされたことで、正式名称が「ビジネス能力検定ジョブパス」に変わりました。

主な民間資格

ソムリエ
ソムリエとは、レストランで客のニーズに合ったワインを選ぶ手助けをする、ワイン専門の給仕を担う人を指します。日本ソムリエ協会認定資格では、飲食店での実務経験が必須ですが、全日本ソムリエ連盟認定資格では必要ありません。

フードコーディネーター
フードコーディネーターとは、食にまつわるあらゆることを効果的に演出する人のことをいいます。NPO法人日本フードコーディネーター協会が認定する資格です。

ウェブ解析士
ウェブ解析とは、ウェブサイトを中心としたあらゆるデータを活用することによって、事業成果を最大化することです。ウェブ解析士の資格には、「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」の3つがあります。

カラーコーディネーター検定試験
この名称は東京商工会議所の登録商標で、主に産業目的で利用する色彩に関する知識や能力を判定・認定する検定試験です。アドバンスクラスとスタンダードクラスの2段階があります。

セールススキル検定試験
セールススキル検定試験は、セールス・コンピテンシー(セールスエッセンシャル、営業知識等、コミュニケーション、計画実行、問題解決、リレーションシップ、テレ・コミュニケーション、モチベーション)の測定、スコア化、認定によって、より正確に営業力を測定する試験です。

民間資格・国家資格・公的資格、どの資格が取りやすいか?

民間資格
民間資格のなかでは、遺品整理士、「ハングル」能力検定試験4級、色彩検定3級、世界遺産検定3級、フードコーディネーター3級、剣道初段、漢検(日本漢字能力検定)3級、メンタルケア心理士、タイピング技能検定イータイピング・マスター特級などが比較的難易度が低いと考えられます。

公的資格
公的資格では、メンタルヘルス・マネジメント検定試験(II種・III種)、日商簿記検定試験(原価計算初級・簿記初級)、ツアーコンダクター<旅程管理主任者>(国内・総合)、レタリング技能検定3級、和裁検定試験3級、ふぐ調理師、スポーツプログラマーなどが比較的ハードルの低い資格と思われます。

国家資格
国家資格のなかでは、自動車運転免許、フォークリフト運転者、小型船舶操縦士免許(2級・2級<湖川>・特殊)、配管技能士3級、ブロック建築技能士3級、とび技能士3級、ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)3級、造園技能士3級などが取得しやすい資格とされています。

「これって国家資格だったの?」と驚いた資格もあるのではないでしょうか。

おもしろい民間資格をご紹介します。

きのこマイスター
きのこマイスター認定講座は、きのこの魅力の普及をねらいとした講座です。入門コース・探求コース・専攻コースの3つがあり、入門コースから順に合格していく必要があります。

唐揚げ検定
唐揚げ検定は、日本唐揚協会が行う、唐揚げについての筆記試験です。この検定に合格し、協会が発行する名刺を取得すると、協会認定のカラアゲニストとしての活動ができるようになります。

日本ビール検定
日本ビール検定は「びあけん」の愛称でも知られており、日本や世界のビールの歴史・製法・原料・種類といった基礎知識をはじめ、おいしく飲むためのコツやうんちくなどを認定するものです。

だしソムリエ
だしソムリエとは、「だし」を知ることによって料理や商品開発、メニュー開発に活用できる専門家や、「だし」「食文化」「料理」をどの切り口からでも語れる人材を育成するための資格です。

洗車検定
洗車検定は洗車技術の向上を目指すもので、合格者には、一定の基準を満たす「洗車のプロ(スペシャリスト)」という資格が認定されます。

民間資格を取る理由って何があるの?

民間資格と聞くと、国家資格や公的資格と比べて、なんとなく「実用度や信頼度が低く、履歴書には書きづらい資格」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
そこで、民間資格の存在意義について、あらためて考えてみたいと思います。

なぜ民間資格が存在するのか?

かつては国や都道府県などが管轄や統制、法制などによって管理している分野の資格が多かったのですが、規制緩和や自由化、行財政改革推進などの流れによって、統廃合や民間委託、民間運用に切り替わってきたものが多くあります。

また、資格ビジネスの興隆により、あらゆる分野において資格や検定試験が次々に創設されたという背景もあります。ただし、そういったものの多くは教材やセミナーなどで儲けるのが狙いであるという見方もされています。

民間資格は役に立つのか?

「民間資格なんて実社会では役に立たない」など、民間資格に対してネガティブな印象を持つ人は少なくありません。それは、良質な資格もあれば、明らかに金儲け目的と思われる粗悪な資格もあるからです。

民間資格でも、持っていればある程度のアピール要素にはなり得ますし、国家資格のように、一定の学歴や経歴が必須という資格はほとんどありません。そして、まだ国家資格が存在しない業種においては、民間資格が有利に働くことになります。

民間資格は取るのにどれくらい費用がかかる?

資格取得にかかる費用には教材費や研修費なども含まれますが、そのあたりは人それぞれ異なると思いますので、ここでは民間資格の受検料のみに言及します。※あくまで目安とお考え下さい。

受検費用が安い民間資格の例
旅行地理検定初級(国内・世界):<CBT受検、インターネット受検とも>3,500円(税込)

受検費用が高い民間資格の例
カットフラワーアドバイザー認定試験:39,000円(消費税・受講料・昼食代込)
声優能力検定1級:16,500円(税込)

いずれも極端な例ですが、民間資格の場合は5,000円~7,000円台が相場ではないかと思います。

教室の先生になるのに民間資格は必要か?

多くの場合は不要です。例えば、塾の英語講師や英会話学校の先生などの場合、教員免許が必要な学校の英語担当教師とは違って、必ずなければいけない資格というものはありません。

もちろん、TOEICやTESOLなどの資格があればそれに越したことはないですし、採用時に有利に働きます。書道教室の先生にも必須資格はありませんが、多くの先生が会派に所属し、「師範」という肩書を持っています。所属団体によっては、資格(師範免状)を取得すると、支部として教室を開講できるようになります。

民間資格に有効期限はあるのか?

民間資格の中にも、有効期限があり更新が必要となるものがあります。

先ほど挙げた資格のなかでは、「ウェブ解析士上級」「セールススキル検定試験」「洗車検定」などがこれに該当します。更新には、講習を受けたり更新料を納付したりといった、何らかの手続きをする必要があります。

更新を行わないと、業務として行えなくなったり、名称を使用することができなくなったり、あるいは資格自体が失効したりするものもあるので、注意が必要です。

履歴書に積極的に書くべき民間資格は?

「何がどういうきっかけで有効に働くかわからないから、持っている資格はとりあえず全部履歴書に書いておこう」とお考えの方も多いかと思いますが、実際に企業が注目するのは、業務との関連性が深い資格のみです。

民間資格の場合、業務とあまり関係のないものや、趣味性が強かったり、通用する範囲が狭すぎたりして実用的でないものは、履歴書に書いてもほとんど意味がありません。就業先の業種と関連性の高い資格を優先して書くことをおすすめします。

また、民間資格には似たような名称のものがたくさんあるので、通称や略称ではなく正式名称を書くようにしましょう。それでは、実際に履歴書に積極的に書くと有利に働く可能性が高い民間資格には、どんなものがあるのでしょうか?

マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(略称:MOS)は、マイクロソフト社が認定するマイクロソフト オフィスの国際資格です。マイクロソフト オフィスの基本操作・応用操作の実践的な能力を認定する資格で、各バージョンおよびアプリケーションごとに試験科目が設けられています。等級は、スペシャリストレベルとエキスパートレベルの2段階があります。この資格があると、企業だけでなくハローワークでも評価されやすい傾向にあります。

ビジネス文書技能検定試験
ビジネス文書技能検定試験は、財団法人実務技能検定協会が行っている、ビジネス文書作成に必要な能力を評価する検定試験です。ただし、文部科学省が後援しているため、民間資格ではなく公的資格とみなされる場合もあります。1級から3級までの3段階がありますが、1・2級または2・3級の併願受検も可能です。各級とも、表記・表現・実務の各技能から出題され、それぞれにおいて得点率が60%に達すると合格となります。

インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターになるには、公益社団法人インテリア産業協会が行うインテリアコーディネーター資格試験に合格し、登録を受ける必要があります。試験は、一次試験(学科)と二次試験(プレゼンテーションと論文)に分かれています。インテリアコーディネーターの資格があると、住宅・インテリアのメーカーや工務店、販売店などへの就職に有利であるほか、フリーランスとして、インテリア計画や商品選択におけるアドバイスなどを行えます。

医療秘書技能検定
医療秘書技能検定は、医療秘書教育全国協議会が主催する検定試験で、日本国内の医療現場の事務職員に必要な医学的な知識やレセプト作成などの総合的な能力を判定します。受検者の能力に合わせ、1級、準1級、2級、3級の4段階があります。ハローワークでは、医療事務の求人に採用条件としてこの資格の取得を挙げている医療機関も見られます。受検者は専門学校や各種学校の学生がほとんどです。社会人もいますが、実際に医療機関に勤務している人が受検するケースは少ないようです。

日本コミュニケーション能力認定
この資格は、日本コミュニケーション能力認定協会が、社会で求められるコミュニケーションの基礎と実践を、資格認定講座という形でレクチャーするものです。2級、準1級、1級、トレーナー育成の4段階があり、各コースとも1~2日間(トレーナー育成は7日間)の受講の修了をもって認定される仕組みとなっています。職場や家庭などあらゆる場面で人間関係に悩んでいる人、さらにコミュニケーション能力を高めて仕事に活かしたいという人などにおすすめの資格です。

民間資格のまとめ

ここまで、民間資格は国家資格や公的資格とどう違うのかということから、ちょっとおもしろい資格、履歴書に積極的に書きたいおすすめの資格までをご紹介してきました。しかし、実際のところ、取得して役に立つ資格かどうかは、他人ではなく自分が決めることです。

自分がこれから就きたい仕事や、今働いている現場で少しでも有利に働く可能性があると思う資格であれば、積極的に取得してみてもいいのではないでしょうか。

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